皆さんどうも!猫と共にのfsheepといつくです。
今回は猫共劇場Vol.2。猫と赤ちゃんの特訓のお話です。
(猫共劇場とは家猫いつくと愉快な仲間達との様々な物語を描いたお話です。)
あらすじ
我家にいる雄猫いつく。あとから家にやってきた人間の赤ちゃんにやたら先輩風をふかせるのです。それはもうビュウビュウと。師匠であり先輩猫のいつくは前回の特訓(猫共劇場Vol.1)で「2本足で立つ」をマスターした赤ちゃんに、次のステップへ移ろうとまたまた新たな特訓をさせるのでした。今回の特訓は「猫は隠れる術を持つべし」。果たして赤ちゃんはスパルタ猫いつくの特訓に耐え、見事隠れる術を身に付けることが出来るのか。
登場人物
師匠:家猫いつく(雄)
弟子:赤ちゃん(女の子)
本編
弟子「し、師匠、どうされたのですか。」
師匠「おい、我が弟子よ、新たな特訓を始めるニャ。」
弟子「・・・・。」
師匠「前回の特訓でお主は「2本足で立つ」ことを覚えた。そろそろ次のステップへ進むニャ。」
弟子「・・・・。」
弟子(この前の特訓で終わりではなかったのか、何て猫だ。相変わらず先輩風吹かせやがって・・・。)
師匠「ニャにか?」
弟子「いえ。でも師匠、次の特訓とは?」
師匠「よくぞ聞いてくれたニャ!次の特訓は、」
弟子「次の特訓は?」
師匠「【猫は隠れる術を持つべし!】だニャ!」
弟子「いや、だから師匠、私は猫ではありません!やりません!」
師匠「ニャにか?」
弟子「いえ。」
師匠「立派な猫になる為には隠れる術を覚えることも非常に重要、確りマスターするニャ!」
弟子(何で私がこんなことを。また面倒なことに巻き込まれてしまった。私がもう少し大きければ・・・。いつか見てろよ!)
師匠「返事は!!」
弟子「は、はい!」
こうして師匠いつくの特訓第二弾が始まるのであった。
師匠「まずは簡単な術からニャ。こうやって回りにあるものを使い身を隠すニャ。」
弟子「ただ、紙袋に入っているだけでは・・・。」
師匠「つべこべ言わずお主もやってみるニャ!!」
弟子「は、はい!」
弟子「じゃん!どうですか師匠!すっぽり入りました!」
師匠「ばか者!!全く隠れてないニャ!丸見えニャ!」
弟子「完璧かと思ったのに・・・。」
師匠「お主はまだ自身の体の大きさを分かっておらぬ、だからそうなるニャ。」
弟子(確かに、師匠の言うことにも一理ある・・・。)
師匠「ニャにぼーっとしておる!次だ!次!」
弟子「は、はい!」
師匠「次はこうやってより狭くて小さいところに身を隠してみるニャ!」
弟子「!?。師匠がいない!消えた!?師匠~!どこですか~、おーい!」
師匠「・・・・。」
弟子「・・・・。」
師匠「おい、お主どこへ行く。そのまま探しているふりをして逃げるつもりだニャ。」
弟子「ま、まさか!そんなことしませんよ~!(チッ、ばれたか)」
師匠「いいからお主もやってみろ!!」
弟子「は、はい!」
弟子「ジャン!師匠!次は完璧です!私がどこにいるか分かりますか?」
師匠「ニャにを遊んでおる!体が半分出ているニャ!」
弟子「そんな~。この大きな靴下なら私の体も隠れると思ったのに~。」
師匠「まあ、さっきよりはマシだが・・・。」
弟子「ではこれでマスター?もうお仕舞い!やったあ!!」
師匠「まだまだニャ!!!次いくぞ次っ!!!」
弟子「ひえ~、師匠もうやめましょうよ~。」
師匠「ニャにか?」
弟子「いえ。」
師匠「次はとっておきを見せてやろう。同化だニャ!擬態とも言うがニャ。」
弟子「同化ぁ?」
師匠「ほれ!どこに隠れているか分かるかニャ?」
弟子「あ、あれ?師匠が、師匠が今度は本当に消えた!?」
師匠「ココだニャ、ココ!」
弟子「!?。凄い!師匠凄いです!他の動物たちにまぎれ溶け込んでいる!?こ、これが同化・・・。」
師匠「やっと気付いたか、そうだ、これが同化だニャ!鍛練した者でないと絶対に習得できん。」
弟子「分かりました!次は私が!!これが出来たらマスターしたということでいいですよね?」
師匠「お主に出来るわけが無いニャ!」
弟子「さあ、師匠!私の完璧な同化はどう?分からないでしょう。」
師匠(!?。き、消えた!?)
弟子「ムフフ、ココですよ!ココ!」
師匠(まさかこの短時間で我が奥義【THEぬいぐるみ】を習得しただと!?そんなバカな、この俺でさえ習得するのにどれだけの時間を費やしたと思っているんだ・・・。やはりあなどれぬ、ニンゲンの赤子。このまま俺の配下にしとかねば、いずれは・・・。と、とにかく師匠としての威厳を保つのだ。そうだ、今は威厳があれば何とでもニャる!)
弟子「師匠?どうしました?黙り込んじゃって。」
師匠「ま、まぁ大したこと無いワン!」
弟子「ワン?師匠、何か動揺していませんか?」
師匠「お主に動揺などするものか!た、たまには猫だってワンという!(動揺するな、威厳を保つのだ)」
弟子「でも出来たんだしマスターしたってことで良いんですよね?」
師匠「そ、そうだな。さすがは我が弟子だ。今回はこれで良しとしよう。」
弟子「やった終わったぁーー!!!」
師匠&弟子「こ、この香ばしい匂いは!?もしや!?ちゅ~る様!!!」
師匠「こら!!これは猫のおやつだ!!」
弟子「ズルい!師匠!!いつも私に「立派な猫になれ」って言うじゃないですか!!」
師匠「うるさい!!離せニャ!!」
弟子「師匠ー!!!大人気ない!!!」
おやつを前にし威厳が皆無になる師匠いつくなのであった。
―END―